
先日、鍋割山へ登ったとき。
林道の先、二俣に一台の四駆が駐まっていた。
鍋割山荘の草野さんの車かと思ったがそうではない。
草野さんの車はミズヒ沢の出会に駐めてあるはずだ。
先へ進むとやはりペットボトルを積み上げた場所に駐まっていた。
なぜ車にこだわるかというと、妙なことに気が付いたからだ。
この関係のない二台の車のダッシュボードに、まるで申し合わせたように「蠅たたき」が置いてあったのだ。
蠅たたき?
いったい何に使うのだろう。
勘のいい私はすぐに思い当たったネ。
山から下りてきて車にたどり着く。
ドアを開け、エンジンをかけ、荷を解く。
その時、とくに夏場など虫やブヨやガなどいろいろな昆虫が車内に入り込んでくる。
車が走り出してから車内に虫が飛んでいることほど鬱陶しいものはない。
そんなとき役に立つのが「蠅たたき」なのだ。
きっとそうだ。
そう言えば、過日業界の旅行でバスに乗った。
なぜか車内にハエが3匹。
「ガイドさ〜〜ん。蠅たたきはないか?」
乗客の1人が言った。
ガイドがしっかりと蠅たたきを持ってきたのには驚いた。
観光バスにも蠅たたきは必須アイテムだったのだ。
それからというもの「蠅たたき」「蠅たたき」「蠅たたき」「蠅たたき」「蠅たたき」
もう頭の中は「蠅たたき」でいっぱいになった。
いても立ってもいられなくなり街に出た。
マツモトキヨシ
「蠅たたきあります?」
「置いていません」
ツルハドラッグ
「蠅たたきあります?」
「置いていません」
雑貨屋
「蠅たたきあります?」
「置いていません」
コンビニ
「蠅たたきあります?」
「置いていません」
おまいら、蠅たたき1本なくってよく商売ができるな。
まぁ、まぁ、興奮するな。
「蠅たたき」「蠅たたき」「蠅たたき」「蠅たたき」「蠅たたき」
呪文のようにつぶやきながら街を彷徨う。
最後の頼みに100円ショップに寄った。
「蠅たたきあります?」
「そこの、飲料水の棚の前のバケツに入ってます」
なんと、夢にまで見た蠅たたきが数十本もバケツに突き刺さっているではないか。
うれしさのあまり思わず2本も買ってしまった^^;
2本も買ってどうするの?
1本は車に。
もう1本は家でゴキブリ退治に。
それに…。
これって、居眠りしそうな運転手の頭を叩くのにもいいかも知れない。