山恋うる日々のつぶやき 2003年4月のつぶやき


2003年4月30日 水曜日 午後 3:53:26

昨日は天気がよかったが前夜に飲み過ぎて山は順延になってしまった。
最近どこかで植村直己冒険館のポスターを見たような気がした。
都内のどこだったか分からなかったのでネットで調べてみた。
板橋区の蓮根にそれがあることが分かった。
祭日の都内は車が空いているのであっという間に着いた。
年に何回かテーマを変えて展示してあるらしいがこの日は「セルフタイマーでとらえた極限の瞬間」だった。
極限の状態に置かれているときにカメラを三脚に立てセルフタイマーをセットし、元の位置に戻る。
シャッターが切れたらカメラを回収する。
単独行だからそれをしなければ後日の証拠にならない。
自分の姿を残すのも目的なのかも知れない。
カメラの位置といっても平坦な場所ではない。
氷の割れ目を縫ったり、山坂を超えてカメラを立てる、よくそんなことができるなと驚くばかりだ。
強健な肉体もさることながら強靱な精神力があってできることなのだ。
大きく引き延ばされた写真パネルは植村直己の表情がよく出ていた。
実際に使ったカメラも国民栄誉賞の額と共に展示してあった。
館オリジナルで制作したビデオも販売していた。
館内には図書室もあり山に行けない日などはこんなところで時を過ごすのもいいものだ。

植村直己冒険館
東京都板橋区蓮根2−21−5
電話 03−3969−7421
(財)植村冒険館
板橋区教育委員会
www.uemura-museum-yokyo.jp

2003年4月25日 金曜日 午後 6:30:22

「東京都山岳会」の会報で青梅警察署山岳救助隊副隊長による本が出版されていることを知った。
奥多摩全域での遭難救助の模様を描いたものだそうだ。
早速取り寄せた。
奥多摩は私が山をはじめた頃、毎週のように通った大好きな山域のひとつだ。
奥多摩あたりでこんなに遭難が多く起こっていたのかと意外な思いだった。
あんなところでとか、あそこは危険だったなとか事故が起こった場所が手に取るように分かる。
低山といえども侮ってはいけないよい教訓になった。
本は「奥多摩登山考」
現職の警察官が書いたものだから一般書店では売り出されていない。
あくまで「非売品」として発行されたものなのだ。
ご丁寧に著者のサイン入りで自作の栞まで付いていた。
著者の優しい人柄が伝わってくる行為だと思う。
実費負担で送ってもらったこの本は奥多摩の山々の様子もよく分かるし、勉強になる一冊だった。

 「奥多摩登山考」
 青梅警察署山岳救助隊副隊長 金邦夫 著 

2003年4月24日 木曜日 午後 5:59:26

妻の身体の異常に気が付いたのは3月のはじめ頃だった。
風呂から上がった妻が変なところに痼りができている、といって胸の上、肩胛骨の下あたりを見せた。
小さな握り拳ほどの固まりが盛り上がっていた。
まるでオッパイがもう一つできたような感じだ。
従来からあるふたつのオッパイは成長期をかなり過ぎて衰退期に入ろうとしているが、この固まりは今は盛りと元気がいい。
オッパイはふたつだけで持て余しているのにもう一つ増えたのでは忙しいし混乱する。
多分脂肪の塊じゃないか、と思いつつ医者に診てもらうことにした。
受付で「どうしました?」と聞かれ、このあたりに痼りが…というと受付の女性の顔色が変わった。
お医者さんは「柔らかいし、色も白いのでまず悪性の心配はないでしょうが大きな病院で検査をした方がいい」とのことだった。
紹介状を持って病院に行った。
「脂肪腫」との診断で早いうちに手術することになった。
局部麻酔で塊を取り除いた。念のため細胞は検査に回された。
瓶に詰めた白い塊は直径7センチほどあり切開の痕も8針ほど縫うものだった。
傷跡はまさにフランケンシュタインのトレードマーク同じだ。
おかげさまで経過は順調で細胞検査も良性と出た。
ただ、ザックを担ぐのにちょうど肩ひもがあたるので暫く山はお休みと相成った。
一昨日の兜山は山復活のリハビリ山行を兼ねたものだったのだ。

 ←参考画像
   フランケンシュタインの傷跡

2003年4月16日 水曜日 午後 7:41:05

昨夜は昭文社の山ガイドブック「尾瀬・日光を登る」の出版記念打ち上げが行われた。
場所は南武線「西国立」駅前にある居酒屋「こまくさ」
ここは私も所属する「カンガルー山の会」の拠点でもあり、津波克明さんの行きつけの店でもある。
店には「尾瀬・日光を登る」を執筆した津波さんはじめ取材に協力したメンバーが集まった。
更に昭文社から編集者2名が駆けつけてくれ、初版本を手渡された。
何度も乾杯してして場はいやがおうにも盛り上がる。
シンガーソングライターでもある店主橋本良春さんの山の歌が出る。
いつの間にか終電近くなってやっとお開き。
編集者と津波さんを残してお先に失礼した。
一冊のガイドブックを作るのに半年余の期間とこれだけの人材が必要なのだ。
帰路の電車内で真新しい本を手にしてつくづく思ったものだった。

 左上:談笑する皆さん
 右上:熱唱するマスター
 左:最後に記念写真

2003年4月11日 金曜日 午後 5:30:56

アウトドアライター津波克明さんからメールを頂いたのは昨年7月下旬のことだった。
地図の昭文社から新しく山のガイドブックを出すので取材を手伝ってくれないか、という内容だった。
道なき道を何日もかけて、動植物を観察し、展望を確かめ、写真を撮り、文を書き、時には野狐と野宿する。
そんな光景が頭をよぎった。
津波さんに何回となく取材のポイント、方法、注意事項などの説明を聞く。
貴重な取材ノートなども見せて頂いた。
担当エリアは谷川連邦の西側とのこと。
またよりによって季節限定の山を選んだんだろ。
高尾山や御岳山なら何回歩いたっていいし、1年中行ける。
しかし、谷川じゃ「アレ忘れたからまた行ってこよ」というわけには行かない。
おお! こりゃ大変だ。こんなことは私にゃできっこない。
津波さんは私をかいかぶっているのだ。
丁重にお断りしなきゃ。
と思う一方で、私の潜在的なスケベ根性が頭をもたげてしまった。
何か面白そう…。
この悪魔のささやきがそもそもの間違いのもと。
妻の「生命保険たっぷり入って、遺言を書いて行ってね」との心温まるお言葉を励みに仕事と、時間と、体力と、雨と、風との壮絶な(?)闘いが始まっちゃったのだ。

 出版された新刊本
 山あるきナビ
 『尾瀬・日光を登る』谷川岳・武尊・那須
 昭文社刊 定価:本体1700円+税
 http://www.mapple.co.jp

 執筆者紹介欄に不祥私の名も(^^ゞ

2003年4月9日 水曜日 午後 7:18:02

メールが一日に何通来るだろうか。
詳しく数えたことがないので分からないが少なくとも10通は来る。
その殆どが宣伝だったり、何かの勧誘だったり全く意味不明な文字化けメールだったりする。
言葉巧みに自己のHPにアクセスさせたり、思わず興味を引く内容で何かを買わせようとする。
昨日来たメールの中にこんなものがあった。
以下全文を紹介する。

通知人:(株)S.M.S
    顧客管理課 料金徴収係
    担当 橋本

顧客番号13852
          
           << 最 終 通 告 >>

 前略、先日発送させて頂きました債権譲渡に関しての通知書はすでにご覧頂けたものと存じます。
同通知書の書面でもお知らせしました通り、弊社は各サイトのインターネットコンテンツ事業者様より
利用料金等の回収を委託されているものです。

弊社が回収受任しました今回の貴殿の債務についてこれまで何度かのご連絡をさせて頂きましたが
未だ貴殿からのご入金が確認出来ておりません(4/7現在)。
この度、弊社顧問法律事務所との協議の結果、以下の通りの事案を決定とし本メールを最後の通知とさせて頂きます。 

【入金期限】平成15年04月11日(金)午後3時
【振込先】(代表口座)
     シティバンク 銀行  ○○支店 
     普通口座 5262754  
     SHUICHI NAKAYAMA
     (S.M.S代表)
【入金額】53,479円(以下内訳)
     アダルトコンテンツ利用料 30,000円
     延滞金          13,479円
     督促費用         10,000円
     
     合計 53,479円  

 これまで貴殿の利用料につきましてはコンテンツ事業者様及び弊社共々、再三のご連絡を試みて
来ましたが未だご入金がなくまた誠意ある回答も頂いておりません。
今回の通告にも関わらず万が一にもご入金のほうの確認が取れない場合は弊社関連調査会社のほうで
貴殿のご自宅、勤務先等をメールアドレス、アクセスログ、電話番号等から調査、解析し回収員が
貴殿のご自宅、勤務先等へ直接、回収に伺う事となりますのでご了承下さい。
またその際に掛かります費用、調査費用、交通費等の雑費、別途回収手数料も合わせてご請求させて頂きます。
また場合によっては裁判所を通じた法的手段にて対応させて頂く事となります。

本状は「最終通告」です。これ以上の猶予はないものとお考え下さい。

尚、もし本状と行き違いにお支払いの場合はご容赦願います。

以上、何卒宜しくお願い申し上げます。

(株)S.M.S

※ 本メールは送信専用アドレスより配信されています。このメールに返信されてもお返事は届きません。
弊社は債権回収業者であり本件に関してのお問い合わせ等は直接コンテンツ事業者様へお問い合わせ下さい。

よ〜く読むと分かると思うがこのメールには返信できないようになっている。
債権を譲渡したという「各アダルトコンテンツ事業者」なるものが明確に示されていない。
本来、債権を譲渡しようとするものは債務者に通知があって当然なのだ。
だから「直接コンテンツ事業者へお問い合わせ下さい」といってもどこの誰なのか分からない。
このメールを読んでどこかで心当たりがあるものが、「自宅に取り立てに行く」との脅しに慌てて金を振り込んだりする。
その辺の心理を巧みに利用した詐欺行為なのだ。
何千通、何万通送信したか知らないが10人もだまされれば53万円の儲け!
調べてみたら同様の詐欺行為がけっこうあるらしい。
http://www.keishicho.metro.tokyo.jp/seian/kougaku/kougaku.htm
http://www.keishicho.metro.tokyo.jp/anket/anket.htm
警視庁も警告を発している。
全く油断もスキもあったものじゃない。


2003年4月5日 土曜日 午後 5:18:20

かれこれ1ヶ月近く山を歩いていない。
ストレッチ運動も全くご無沙汰。
身体がナマって肩が凝る。
完璧な運動不足状態だ。
来週も山に行けそうもない。
ああ、山が遠ざかる…。


2003年4月2日 水曜日 午後 6:59:42

コンビニやファミレスのマニュアル言葉も気になるが、もっと気になる言葉遣いがある。
買い物をして1万円札を出すと「有難うございます。1万円からお預かりします」というやつだ。
若い子だけの言葉遣いだと思っていたら近頃ではいい歳をしたおばさんまで、いや、おじさんも使っている。
1万円から預かっておつりを出すという、そういった言葉遣いがあるのだろうか。
悔しいので辞書で調べてみた。

(格助)
体言および体言に相当するものに付く。
(1)出発する位置を表す。
  (ア)時間的・空間的な起点。
  「あしたから休みになる」「山から日がのぼる」
  (イ)論理の起点・根拠。
  「ことしの実績からボーナスの額を決める」
  (ウ)「…から…へ」の形で慣用的に用いる。
  「花から花へと、蝶が飛び回っている」「次から次へ能書きを並べる」
(2)通過する位置を表す。
  「窓から日がさしこむ」「ほととぎす卯の花辺から鳴きて越え来ぬ/万葉 1945」
(3)範囲を表す。「…から…まで」の形をとることが多い。
  「小学校から大学まで首席で通した」「何から何までお世話になりました」
(4)理由・原因・動機などを表す。「からすると」「ところから」「の上から」など慣用的に用いることがある。
  「経営不振から、工場が閉鎖された」「寒さの折からお体大切に」「現状からすると、円高傾向は今後も避けられまい」
  「ながしとも思ひぞはてぬ昔よりあふ人からの秋の夜なれば/古今(恋三)」
(5)動作・作用の出どころを表す。
  「君から聞いた話」「おやじからおこられた」
(6)材料・構成要素を表す。
  「酒は米から作る」「議会は衆参二院から成る」
(7)おおよその数量を示す。数量を示す語に付く。
  「千人からの人出」
(8)一つの事例をあげて、全体を強めていう。…をはじめとして。「からして」の形で用いられることもある。
  「名人の演奏になると、音から違ってくる」「先生からしてそんなことでは、生徒に対してしめしがつかない」
(9)手段・方法を表す。…によって。…で。
  「徒歩(かち)からまかりていひ慰め侍らむ/落窪 1」(準体助)

〔からの転用で、近世後期以降の用法〕いろいろの語に付いて、それの付いた語句を全体として体言と同じ働きをもつものにする。
「以後」「以上」「故(ゆえ)」などの意を表す。
「10キログラムからの重さ」「こうなったからは一歩もひかない」「向こうに着いてからが心配だ」
「僕のやり方がまずかったからのことだ」

(接助)
活用する語の終止形(古語では連体形)に付く。の用法から出たもので、中古以降のもの。
古語では「からに」の形をとることが多い。
(1)原因・理由を表す。
  (ア)前件を受けて、後件に話し手の断言・命令・意志など主観性の強い表現がくることが多い。
  「ほしいから買ったんだ」「むずかしいからできっこないよ」
  (イ)「からだ」「からです」などの形で、強く述べる。
  「成績があがらないのは、勉強しないからだ」
  (ウ)「からといって(からって)」の形で、理由・原因に対する帰結・結果を暗示させる。
  「寒いからといって、寝ぼうするやつがあるか」
(2)「からには」「からは」の形で、「…する以上は」の意を表す。
  「決心したからには、やり通すぞ」「やるからには立派になしとげなさい」
(3)「てから」「てからが」の形で逆接の意を表す。…したところで。
  「文句ばかり言ってからが、何にもできないくせに」

どこを探してもおつりを出すために「1万円からお預かりします」なんて使い方はない。
しかし、この使い方も慣習になり、立派な日本語に成長して辞書に載る日も遠くないのかも知れない。
こんなこと考えている俺もヒマだね(^^ゞ


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