
「指揮官の決断」と言う本を読んだ。
これは八甲田山の雪中行軍遭難事件を事実に基づいて書かれたもの。
神成大尉率いる青森隊が210人のうち五体満足で生き残ったのは僅か3名。
山岳史上空前の遭難事件は後年新田次郎の小説「八甲田山死の彷徨」で一躍世に知れ渡った。
その後、映画化された大ヒットになった。
しかし、小説や映画は当然ながら事実にフィクションを重ね合わせ物語にしたものだ。
この本の最後に小説の内容が事実ではどうであったか、を検証している。
1.二つの連隊の間に事前の打ち合わせはあったのか。
2.青森隊の遭難は指揮系統の乱れなのか。
3.山口隊長は拳銃自殺したのか。
4.弘前隊は青森隊の遭難現場に遭遇したのか。
この辺に興味がわいたので買ったのだ。
一泊二日の予定で大量遭難した青森隊。
11泊12日の行軍にもかかわらず一人の落伍者を出さず雪中行軍を成功させた福島大尉率いる弘前隊。
ますます、この八甲田山に興味を注がれた一冊だった。