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山恋うる日々のつぶやき


最近のつぶやき…


続 耐震偽装 2005年11月30日(水)

国土交通委員会で耐震偽装が行われた関係者が参考人として一堂に会した。
肝心の姉歯建築士が欠席していたので本当の動機はまだ闇の中だが、質疑をニュースで聞いている範囲では何か論点がずれているとしか思えないのだ。
「言った。言わない」の応酬は枝葉の問題のかき回しにすぎない。

建物を建築するには設計があってそれを検査機関に審査してもらう。
この審査が以前行政が行っていた「建築確認」なのだ。
「建築確認」が下りないと、いかなる建物でも建てるわけにはいかない。
「建築確認」が通ったから「ヒューザー」などのデベロッパーは建築会社に建築を依頼し、建築にかかる。

ヒューザーの小嶋社長は言う「建築確認という言わばお墨付きがあって建物を建てたのだ。なんの違法性はない」
「お墨付き」を出した検査機関は行政の代わりの立場だ。
偽装を見逃したのならその責任は民間の「イーホームズ」それを監督する立場の行政だ。
これが小嶋社長の言い分だ。

検査機関の「イーホームズ」にしても故意に審査を甘くしたわけではないだろう。
マニュアルにない検査項目まで目を通すことをしなかっただけだ。
悪意をもって巧妙にコンピューターに入力された偽装箇所を見つけるのは容易ではないと思う。

テレビに映った若くて物静かな検査機関「イーホームズ」の社長。
声を荒げ激す「ヒューザー」の小嶋社長。
両者の「言った。言わない」の内容は偽装が判明してから公表するまでの過程でのことだ。
真相に迫ったやり取りになっていない。
そんな枝葉のことだけを大きく取り上げおもしろおかしく報道するマスコミもマスコミだ。

姉歯建築士がなぜ、なんのために偽装をしたのか。
本人の口から語ってもらわなければ突破口は開けないのではないか。

一方、販売会社「ヒューザー」はマンションを買ってもらった住民に対しては民法上の「瑕疵担保責任」を負う。
欠陥を知る知らないにかかわらず「瑕疵担保責任」は逃れるわけにはいかない。
住民に対してどう対応するのか、今後の課題だ。

一連の報道を見て思うことがある。
不動産・建築関連の社長たちはみな腹が坐っている。
少々のことには動じることはない。
太っ腹な人間の集まりなのだ。

常に泣きを見るのは末端の庶民だ。
20年30年といった住宅ローンを背負い、終の棲家と手に入れた住まいがこの有様では泣くに泣けない。
なんとか一般庶民が泣きを見ない社会になることを祈ってやまない。

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