涙の日光白根登山

「MA−RU’S HOMEPAGE」 まーるさんのHP。
Mountain日光白根山まーる日記より転載させて頂きました。
画像もまーるさんの提供です。


◇ 日光白根山 ◇
2001年9月1日(月)〜9月3日(日)

1日目
9月1日(金) 曇り
登山予定にしていたが湯元にタクシーがいなかったため翌日リトライ。
湯の湖、滝、戦場ヶ原などを散策

2日目
9月2日(土)晴れのち曇り
07:50   菅沼登山口
09:30    阿弥陀が池着休憩
09:45    阿弥陀が池発
10:50   日光白根山着
       うどんを作って食べる
11:35   日光白根山発
12:45   避難小屋
13:05   五色沼着休憩
13:25   五色沼発
14:20   前白根山?
??:??    ????・・・・ノンストップ
       ????・・・・ノンストップ
18:00   湯元スキー場
18:10   湯元温泉バス停

3日目
9月3日(月)曇り
男体山登山中止
10:00   保養所出発
13:00   東武ワールドスクェアー
15:00   日光発
19:00   新横浜着

 湯の湖〜戦場ヶ原                                                        2001,9,1

湯元温泉に着いたら、ガイドブックにはタクシーがいるようなことを書いてあったが、
湯元温泉というところはさびれていて、人も少なく、タクシーは1台もいなかった。
観光協会に入って聞いてみたら、日光駅からメーターを回して来るそうで1万円以上かかるとのこと。

そんなこんなで色々していると、時間が遅くなってきた。
天気も曇りで今にも雨が降りそうだったので、初日は湯の湖〜戦場ヶ原までの遊歩道を散策し湯滝を見て鮎を食べた。
菅沼登山口まで、地元の民宿の人が500円で送ってくれるということになり、明日白根山を登ることになった。

 涙の日光白根登山                                                        2001,9,2

早朝、湯元で地元の民宿の人と待ち合わせをし、菅沼登山口まで車で送ってもらった。
帰りも菅沼登山口に下山してくる計画を立てていたが、タクシーが湯元にはいないということが判明し、民宿のおじさんも午後、車を出すのは都合が悪いということで、菅沼登山口〜日光白根〜五色沼〜前白根〜日光スキー場〜湯元温泉に下山することに急きょ変更した。

登頂〜。白根山の看板は壊れてましたぁ〜
(ここまではよかったが…)

準備していた地図は菅沼登山口〜日光白根〜五色沼〜菅沼登山口の地図しか載ってなかったが、前白根はすぐ見えていたしだいじょうぶだろうと思った。

五色沼までは計画していた時間よりかなり速い時間で行けたので、絵でも書こうかと思ったが次の日は雨の予報だったので遅くなると天候がくずれると思い、絵は書かずに前白根のピークを目指した。
そこまではよかったが、前白根のピークだと思ったところが実はピークではなかったらしく、そこから道を間違い獣道に迷い込んでしまった。
その時、鹿のすごく高い鳴き声がひびきちょっと気持ち悪かった。
おかしいと最初思ったけど、一般ルートとつながっているだろうからもう少し歩いてみようと思ったのが大間違い!元に戻ることもできないくらい変なところへ入ってしまった。

おかしな道に入ってしまい・・

慌てて磁石を見たら、最初は南に歩いていたのにその時は北になっていた。
湯元の方面は前白根から南西の方角だということだけは分かったので、とにかく熊笹をかきわけ草や木の上をとにかく磁石が南西の方角を指すまで歩いた。
途中崖や木をつたって歩いたが木をひっぱるとすぐ抜けたりして何度か転んだ。大きな石が絶壁に落ちたのを見てぞっとした。
木の枝をつかんだまま足を踏み外し、リュックが岩にひっかかって落ちずにすんだ。
その時に両手の腕の付け根をグキっとやってしまったがその時は痛いと思わなかった。

崖を降り・・・

熊らしき鳴き声もすぐそばで聞こえ、ボロボロになった古い荷物らしきものが土に埋もれてた。
それを見た時は、ここに誰か来たんだとちょっと安心したが、今思うと、あんなところに荷物があるなんておかしい!思い出しただけでぞっとする。

ここはどこ?・・・

ここを降りると湯元に戻れるという確信は全くないのにひたすら降りるのはとても恐かった。
歩いていると流れの激しい川がでてきた。どうしても向こうへ渡らないと歩く所がなく、大きな石や木の太い枝を拾ってきて川に放り込んだ。
ちょっと靴が濡れたがなんとか渡れた。
高度計は確実に下がってきているので、下山しているのは確信できたけど、水を見て途中、断崖絶壁で滝になっていたら・・とか不安だった。

草木をかきわけ・・・

日が暮れてきて、空が暗くなってきた。
携帯電話を見たら、アンテナが少し立っていた。
急いで民宿に電話をしたらおじさんが電話にでたが、自分が今いるところが説明できず、おじさんも?と言った感じだった。
沢を降りてきたら多分湯元にでられるかもと言われ、自分の携帯電話の番号をおじさんに伝え、また30分後に電話すると言って電話をきった。

それから30分くらいした時に登山道らしき道を発見した。
だけど、また川があり結構激しく水が流れていたけれど、絶対道だ!と確信できたので、もう水に濡れてもいいやと思って渡った。
そこにはロープが張ってあった。人が張ったものだ!とすごくそれを見ただけで嬉しかった。
看板があったが私が来た向きからだと裏しか見えなかった。
なんだろうと思ってロープをくぐって前から見てみると、警察が立てた警告の看板だった。
ここに入ってはダメ危険。遭難多発というようなことが書いてあった。
入り口だけじゃなくって前白根の上にも立ててくれよぉ〜と思った。
そりゃぁあれは遭難するわぁーと思ったが、もうとにかく嬉しかった。
もう最後のバスは行ってしまったかもしれないという時間だったが、そんなのはもうどうでもいい気分だった。

今回役立ったもの:
NO1 磁石、NO2 軍手、NO3 長袖、長ズボン、NO4 雨が降らなかったこと

 日光観光                                                              2001,9,3

今日は、男体山を登る予定だったが、昨日のサバイバル体験が強烈すぎて登る気になれなかった。

それに、あちこち青あざだらけで、リュックを背負うと両手の腕の付け根が痛い。
気分を変えて、日光のワールドスクエアーに行くことにした。
世界遺産の建築物や遺跡のミニチュアを展示してあるテーマパークだ。

日光の駅で、行き方を調べていたら、地元の人らしき女性が近づいてきて「こんな鈴じゃだめ」といきなり言った。
一瞬何を言っているのか分からなかった。
私のリュックの鈴が気になっているらしい。
よく話を聞いてみると「山へ行くんでしょ?今、熊が赤ちゃんを産んで気が荒くなってるし、目撃した人が何人もいるから、もっと大きな音の鈴じゃないと危険よ。」と言った。
「あ、もう下山してきたんです」と言ってその女性と別れたが、前日の恐怖を思い出して冷や汗がでた。
ひゃぁ〜もう当分、登山はいいや。

2001.09.11 転載


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