富士山訓練山行

神奈川県相模原市在住Hさんよりメールを頂きました。
ご本人の希望により匿名とします。


山に登っていると色んな事が起きますよね! 一歩間違えば遭難で結局ただ運が良いだけ何ですよね!

そこでまあ私の話も聞いて下さい先週最悪の山行をやってしまいました!
富士山に訓練山行に行こうと言う事で連休開けの火曜日(11月下旬)に会社の同僚と3人で出かけました。内一人は、冬山初心者でこの山行前にアイゼンとピッケルを購入しています。それに私は富士山は初めてです(今まで富士山は、眺める山で登る山では無い登るなら積雪期とずっと思い込んでいました)。

その日の日天気は、雲一つ無い好天で川口湖付近から見ると七合目あたりから雪が付いている様です、もう気分は、お山の上でアイゼンをきしませています。
富士スバルラインの入り口にAM6:30位いに付いたのですが何と道路凍結の為AM9:00までゲートが開かないと看板が出て通行不能になっていました。某メジャー出版社の冬山ルートガイドでは日帰りも可能と書いてあり此れはどう言う事だと唖然としました。

ここでAM9:00まで大人しく富士山の撮影でもしとけば、良かったのですが強引にも富士宮口の新五合目から登ろうと言う事になりました(このコースは、皆初めて)

富士の裾野をぐるっと回る訳ですが、南に周り込むにつれ富士の雪は、消えて行き新五合目から頂上に掛けては、登山道にまばらに雪が付いている様です。
雪山に登られる方なら良くご存知でしょうが、この様な中途半端な雪が非常に歩き憎いのです。でも登山口に立つと"やまや魂"が登りたいと心の中で叫んでいます。

ここで大きな問題が有るのに気付きました。

富士登山イラスト

コンビニによる予定を忘れ昼飯を買っていません。行動食のみで行こうと言う事になり、結局登り出したのは、AM8:00を過ぎでいました。

雪が付いている所を登りたいので七合目付近までブルドーザー道を登って行きその先は、登山道を使いました。所々氷結していますがアイゼンを付けるのも面倒なのでピッケルのみで登りました。

八合目辺りから風がだんだん強くなって行きます。九合目から先は、体が飛ばされそうな突風、と酸欠の中の急登、地獄です。それでもやっと頂上に達しました。

しかし私はちっとも嬉しく有りません。どうやら。(後から考えると)低体温症になってしまった様です。
帰りたい一心で、「先に下ります」と二人に言って下りに入った瞬間ふと太陽の位置が恐ろしいぐらい西に傾いている事に気付きます。どう考えても日没までに下山口に達するのは、無理だと太陽と空の色が言っています。
そうですスタート時間が遅すぎたのです・・・・。

八合目に有る非難小屋まで何とかたどり付き皆でストーブで暖をとり、お湯や食い物を分け合い、ヘッドランプを付け寒さに備えて厚手のフリースを着込みます。
ふと壁に目をやると「11月28日AM 5:00 -18℃死ぬほど寒い」と書いた落書きが・・・。
小屋を出ると更に太陽は、沈み雲は、オレンジ色に輝いています。今まで夕日が恐いと思った事は、有りませんがこの時ばかりは、・・・。

最初登山道を下ったのですが暗くなって歩きやすい様ブルドーザー道を歩き出す事にしました。七合目からは、真っ暗ですが町の明かりが輝いています。
六合目から登山道を歩く事にしました登山道に張ってあるロープだけが頼りです。これは、最悪で岩場がどうなっているのか分かり辛く何度かロープが途切れたりで心細い思いをします。

そのうち電池が減ってきたのかランプの明かりが段々暗くなって行きます。
おぼつかない足で真っ暗な道を歩く事2時間 、時計は、PM7:00、やっと車に辿り着きました。
冷え切った体に車の暖房は心地良く改めて皆無事降りた事に感動です。

なんでこんな事になったのか・・・・分かっています皆われわれが悪いのです。
やはり私にとって富士山は、眺める山で登る山では無かった様です。
恥ずかしい話なのであんまり人に言えた話しでは無いですね。

何時の間にか超長文になってしましましたそれではこの辺で失礼いたします。


1998.12.1 神奈川県相模原市在住H


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