記:合同オフ特別取材班
我が低山山歩の地元に得体の知れない集団が集結するとの情報が寄せられた。
時あたかも1999年7の月、天から恐怖の大王が降りてくると世間が騒然としている時だ。
急遽、取材班を編成しバカチョンカメラを引っさげてうわさの現場へ急行した。
1999年7月6日(火) ところは大田区梅屋敷。
太陽が西に傾き、影を長く映す頃、駅前の某居酒屋に普段の客とは雰囲気がちょっと違う男女が集まりだした。
時間が経つにつれ、2人、3人、5人とその数を増していった。
やがてその数12人。男性が8人、女性が4人になった。
奥の大テーブルを完全に占拠した彼らは、柄に似合わず自己紹介などをはじめた。
氏名を名乗らずあだ名を紹介するという何とも変わった自己紹介であった。
やがて、テーブルにはビールが運ばれ乾杯が始まった。
実は勢揃いする前に「これは乾杯の練習だ」などと訳の分からないことを言って早々と飲んでいるものがいたが…。
料理が運ばれ、飲み物の数が増えるに従って座が賑やかになってきた。
「とんぼが飛んでいる」とか「ポッカコーヒーがどうの」とか、なかには「ももんが〜!」など、はたで聞いているとなにがなんだかサッパリ分からない。
そのうちうら若き女性が「ご〜め〜んなさ〜い!」といって輪の中に入ってきた。仲間のひとりらしい。
「女性軍は美形が多いですね」とひとりつぶやいた男がいた。どこに座っていた人かは忘れたが。
これで全員集まったことになるらしい。総勢13名の集団だ。
杯を重ね、皿が増えるとますます盛り上がってきた。
耳をそばだてて聞いているとどうやら山好き達の集まりだと分かった。それも主に丹沢一帯を徘徊する連中が多いようだ。
「とんぼ」は『とんぼちゃん』といって檜洞丸青ヶ岳山荘の管理人さんだ。
「ポッカ」はコーヒーではなくて『歩荷もどきさん』といい、表尾根木ノ又大日小屋の歩荷しながら小屋を管理している奇特な人であった。遙か秦野市から駆けつけてきたのだ。ともにハンドル名だったのだ。
上記2名の他に、ここに参加した人たちの名前、いやハンドル名をあげておこう。順不同、敬称略なので喧嘩はしないように。
「とんぼX」「ゆきえ」「だいだい」「ぎいち」「maruse1」「テッちゃん」「amaro」「けん」「ara」「ももんが」「恵美子」というそうそうたるメンバーだ。
なにがそうそうたるメンバーなのかというと、この人たち、それぞれのホームページの掲示板でカキコしているうちに知り合った仲間で、一部を除いて今日初めて会う人ばかりなのだ。
自称ピギナーであったり、実は元パリパリの山屋さんであったり、性別はもとより、経験も環境も年齢も(全員年齢不詳)まったく異なった人が『山』という一点に集約されて今日ここに感動的な初対面を果たしたのであった。(そうそうたるの説明になってないな)
人間関係が希薄になっている昨今、アカの他人がそれも初対面でありながら、このような麗しい光景を描き出せるものなのだろうか?
居酒屋の片隅に陣取った彼らの姿は、一見ただの酔っぱらいにしか見えないかもしれない。
しかしそれは大きな誤りであることにやがて気が付くだろう。彼らはそんじょそこらの酒好き、ワイン好き、宴会好きではないのだ(キッパリ!)
ただ一言「山が大好き!」なのだ。
清流が迸り、尾根が続き、頂が天空に突き上げて、四季の移り変わりが彩りを添える山が、彼らの魂に語りかけているのかもしれない。
あぁ、疲れた(^ ^ ;) こんな文章書いたことないから……。
次のコーナーは「発言・迷言集」です。