「山で飲む酒ほど旨いものはないっ!」

「さわこ」さんからの投稿・第四弾です。



これに異を唱える山ヤはいないはずである。


●‘ひぃ〜ひぃ〜‘ ‘はぁ〜はぁ〜‘ 青息吐息。
苦労の末に行き着いた山頂で。山小屋で。テント場で。
仲間と。はたまた独り静かに。舞台はいろいろだ。
一日が終わり、一息ついて乾杯。
頑張った自分へのご褒美だ。
そのひと時を楽しみに、登山を頑張っているようなものだ。
就寝前の寝酒も旨い。



そんな場面を夢見てどんな山行へでも、
自分のお気に入りの酒を、ザックの一番下へ忍ばせる。
それだけは一度も忘れたことが無い。

●5月
東北の山深い、残雪たっぷりの山へ会のメンバー4人と行った。
避難小屋へ2泊して山頂を目指したのだ。
当然、冬山装備だ。
荷は重い
70Lのザックがぎゅうぎゅう。(>_<)

登山口。共同装備の配分、パッキング。
それぞれが黙々と手を動かしている。
どれどれ〜
ちょっと担ごうとした、その時、なんと不覚にもよろけてしまった。
シマッタ!
案の定、会長が近寄ってきた。

「さわ。荷物チェック。さぁさぁ
ザックの中身全部出して!
「俺のより重そうだな。何が入ってるんだ!」
有無を言わせない口ぶりである。

「あの〜、女性の荷物あらためなぞ
セクハラじゃ・・・

「いいから!サッサと出す!ほれほれ!」

ザックの中から、一ま〜い、ニま〜い、三ま〜い。

おぉぉ〜っ!
パンツが出てきた
これは何故かすんなり認められた。(ーー;)
シュラフ、フリース、グローブ、目出帽、アイゼン、カッパ、着替え。
ブルーシートの上はたちまち荷物で溢れかえる。
まだまだ続く・・・食料、行動食、テルモス、共同装備。
そのほかに・・・

白鶴まるパック900ml



さらりとした梅酒500ml



500mlペットボトルに移し替えた芋焼酎



以上三点取り上げ。(つごう
一升に相当する)
なんでも共同装備に菊水という、眠るのに効く水が準備されてるらしい。
一人当たり、一晩2本。

ぎょえぇぇぇーーー!(@_@;)
「わたし、そんなに強い日本酒2本も飲めません」

「何言ってんだ。アレは最高だ。くうっーと飲めばすぐ眠れるんだ」

「じゃあ菊水置いて、せめて芋焼酎にします」

「大丈夫だ!残したら俺が全部飲んでやる!」

押し問答の末に、
4本の菊水をあてがわれた。
飲めないのに持たされるのはヤなものだ。
会長の分を背負ってるようなものだ。(ToT)



●ほ〜れみぃ!
会長以下3名は、菊水を飲み切れなかった。
全部、会長へまわったぞ。
お蔭で会長は
高いびきだ

今回もわたしが身をもって経験したことを、
恥ずかしながら・・・
皆さまへお披露目し、警告しようと思うものである。

◇自分の飲みつけた酒は、たとえどんなに重くとも絶対持っていくべし。

◇奥歯をギリリと噛み締め、腹にチカラをいれて、
エイ!やぁぁーー!とザックを背負うべし。

◇背負ったらば決してふらつかず、平然としているべし。



 
【酒よ】

 山でおまえにありつけず
 一晩中眠れずもんもんとす
んがががぁ〜゛゛
人様のいびきを聞きながらもんもんとす
われは神経質なり

 さりながら
夜中に歯ぎしりしてたねぇ〜と
みながわたしを見て言う
ほんとケ!?
おまえがなくとも眠れるらしい
 われは神経質なり
われは芋焼酎を欲したなり

2004.10.8 掲載


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