真白き太ももに 一枚貼りつく青しそかな

「さわこ」さんからの投稿・第三弾です。



夕方になっても、まだ蒸し暑い夏の夕方。

パッキングを済ませ、70Lのザックがパンパン。
重さを噛みしめながら、家の中をクルクル歩きまわっていた折、
台風10号・本土襲撃間近との情報を掴んだのである。

しかし、我が部隊は、
この盆休みに、トある山域を目標にし、
着々と準備を進めてきたのである。
すでに、支度は出来上がっている。
敵はまだ遥か彼方、南方である。
こっちの山までは影響を及ぼすまい・・・と、
料理部門・班長である私は冷静に、心静かに、
素人判断し、出発を心待ちにしていたのである。




そして我が部隊は、計画通り遂行し、一日目は無事・終了した。
テントの中で眠りにつく。
しかし夜半からの雨。風。
テントがヒュ〜ヒュ〜揺れる。
二日目。
隊長判断により、向こう側への縦走はあきらめて、撤退となったのである。
所詮、料理部門・班長の身。
従わざるを得まい。
昨日、登ってきた道を戻るのはツライものである!@_@;)




稜線。
なんでこんなに、雨と風が強いのよ〜。
暴風雨というのだ!
台風の影響なのだ!
体が、風で飛ばされるうぅぅ〜。
風が強すぎて、足が思うように前に出せない。
足がすくんだのである。
立ってる土地の面積が少ないし!

「早くこっちの岩場に来な!」
「そこは風の通り道だから。待ってても風は止まない!」
<(`^´)> 怒マーク≠チぽく叱られた。

で・で・でも、
「体が飛んで行きそうです〜」 (>_<)
「なんとか、この体持ちこたえました〜」 (>_<)
「代わりに、 コンタクトレンズが外れて飛んでいきました〜」 (>_<)
わたしは泣マーク≠セぞ。

メガネを出す余裕もなく、
眉間に縦シワを作り、真剣な顔つきで下山続行。
“もう〜、やんなっちゃったな・・・
 転ばないよう、注意を払いながら、下ばっか見てるし”
そんなコトを思いながらの下山であった。
暴風雨に嫌気がさしていたのか、気持ちが散漫だったのか。
左足太ももに激痛が走った!

『ふんぎゃ〜。痛ぁ〜い!』

木の根が、狭い登山道にまで突き出していたのである。
隊長に「左足太もも 複雑骨折したであります!」
報告するも、
「ああ〜、アソコの木の根ね。私もやっちゃったよ」と、
さらりと言うのである。
平然と歩き出した、その背中につぶやく。

「フツー、危険な所では伝言ゲームのように後ろの人に注意を促すでしょう!」

ココ危ないですよ、気をつけて下さい・・・
ココ危ないですよ、気をつけてください・・
って、伝えていくものでしょう!
知らないの?幼稚園児でも知ってるわ!

「チョロ〜と、ちびるほど痛かったぜよ!」




メガネをしていれば、
木の根激突は防げたであろうか?
あれほどの悪天候では、吹きつける雨でメガネも役立つまい。
ドラえもんにでも頼んで、めがねワイパーが欲しいところだ。
それにメガネだって飛ばされちゃうかもしれない。

メガネを耳の後ろで固定  →  メガネロック (¥600也)
メガネの両端をゴムで繋ぐ →  メガネバンド (¥550也)
(パンツのゴムより、ましかも)

しかし、コンタクトが飛んでいったくらいだから、メガネも怪しい。
何よりもメガネは雨に弱い。
前が見づらくなる。
今回も又、私が身をもって経験したコトである。
コンタクト、眼鏡使用の皆さまへ警告しなければ・・・と、
思い切って告白するものである。
暴風雨の際には、コンタクト&メガネ、飛ばされないように気をつけましょう!




ちなみに、負傷した左足太もも。
唐草もんもん・・・みたいになったであります。

『豆腐のごとく 真白き太ももに 一枚貼りつく青しそかな』

なんとも悲しみに満ちた、北アルプス行軍でありました。

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2003.10.22 掲載


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