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■ ある日の出来事…
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2004年10月08日(金)
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とある古いアパートに警察官、不動産屋、アパートの大家、鍵屋が集まった。 「では、解錠します」と警察官に言って解錠道具を鍵穴に入れる。 「開けます!」とドアを引いた。 この部屋の異常に気づいたのは約1ヶ月ほど前だった。 ドアの前には新聞が山と積まれ、郵便物もポストからあふれていた。 窓は閉め切られ中の様子はわからない。 入居者は60過ぎの中年男の単身者。 わずかな隙間から中を窺うと台所用品などそのまま残っている。 それなのに長い間出入りした形跡がないのである種の不安が横切った。 もしも部屋の中で死んでいたら…。 こういう場合、大家や不動産屋といえども勝手に部屋に入るわけにはいかない。 特に事件性があった場合、警察に事情聴取のため何日も呼ばれ、執拗に経過を聞かれる。 そこで警察官の立ち会いをお願いしたのだ。 ドアが開かれ警察官が中に入る。 鍵屋、大家、不動産屋が固唾を飲んで見守る。 「入っていいですかぁ」と不動産屋。 「まだだめ!」警察官。 暫く室内を見回していた警察官は「入っていいよ」と声をかける。 不動産屋が室内に入る。 「居ないみたいだなぁ。押し入れも見たけど」 部屋はたった今まで本人がそこで生活していたままの状態が残されている。 さて、最悪の事態は避けられた。 しかし、本人はどこに消えたのだろうか? 死体はなかったが行方不明の人間を捜すのもやっかいなことだ。
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